4-20出力とは、制御業界でよく使用される言葉の一つで、産業用センサーや計測機器で広く使われているアナログ信号の伝送方式です。
汎用的な光電センサのように、オン・オフ(0,1)の出力をデジタル出力と呼ぶのに対して、
アナログ出力は、信号の波形をそのまま出力するイメージとなります。
4–20mA出力は、圧力、温度、流量、液位などの物理量を、電流の変化として伝えることができます。
特に、ノイズに強く長距離伝送にも向いているため、過酷な環境下での制御や監視に最適です。
4-20mA出力のメリット・デメリット
✅ メリット
- ノイズに強い:電流信号は誘導ノイズの影響を受けにくく、工場などノイズが多い環境に強い。
- 長距離配線が可能:数百メートル以上の配線でも信号品質が維持される。
電圧信号を長距離伝送した場合、回路中の抵抗によって電圧が減衰してしまいますが、
電流は配管に流れる水の流量と同じで伝送距離が長くなっても減衰することがありません。 - 故障検出が容易:正常時は4mA以上を流すため、0mAは断線などの異常と判断可能。
- 電源共有:2線式で電源供給と信号伝送が同時にできる。
⚠️ デメリット
- 多点接続が困難:1つのループに対して1つのセンサー・1つの受信器が原則。
- 電源が必要:ループに電源(通常24V)が必要。
- 定期的な校正が必要な場合あり:精度を保つにはメンテナンスが求められる。
使用例
4–20mA出力は、以下のような多くの産業用途で使われています:
- 圧力センサー:タンクや配管内の圧力を監視
- 温度センサー:プロセスの熱管理
- 液位センサー:貯水槽や薬液タンクの残量検出
- 流量センサー:配管内の流体の流れを監視
それらの信号は、PLC(プログラマブルコントローラ)やDCS(分散制御システム)に取り込まれ、制御や記録、アラーム処理などに活用されます。
まとめ
4–20mA出力は、産業現場におけるアナログ信号伝送の定番です。そのシンプルさと堅牢性から、今なお多くの現場で採用されています。ノイズに強く、信頼性の高い信号伝送が求められる環境には特に適しており、正しい設計と運用によって、高精度な計測と制御が実現できます。
コメント