【入門】4-20mA信号の基礎知識|なぜ4mAから?しくみと配線例を紹介

用語解説

1. はじめに:4-20mA信号とは

製造現場や制御盤でよく登場する「4-20mA(よんにじゅう)信号」。これは、電流の大きさで温度・圧力・流量などの連続的な変化を表すアナログ信号の一種です。
たとえば温度計なら、0℃が4mA、100℃が20mA…といった具合に、計測値を電流値に比例して変換して伝える仕組みになっています。

4〜20mAという電流レンジは、工業計測で長年使われている世界標準。センサ、アナログ入力ユニット、温度調節器、PLCなど、非常に広い範囲で採用されています。


2. なぜ4〜20mAなのか:ゼロが4mAの理由

なぜ0〜20mAではなく4〜20mAなのか?
これには明確な理由があります。

●(1)断線検知ができる

0mAは、変換器が値として出しているのか、単なる断線なのか区別できないため、危険です。
そのため最低値を4mAにして、0mA=異常(断線)と判別できるようにしています。

●(2)ノイズに強い

電流信号は電圧信号に比べて長距離伝送でも信号が劣化しにくいという特徴があります。
特に工場のようなノイズ環境では、4-20mAは非常に信頼性が高い方式です。

●(3)電源供給を兼ねられる(2線式)

4-20mAは 「ループ電源」 と呼ばれる仕組みにより、電流ループそのものが変換器の電源になる場合があります。
これにより配線本数も減り、コストや設置性の面でもメリットがあります。


3. 4-20mAの基本構成と配線例

4〜20mA信号は下記のような構成で使われることが多いです。

【センサ/変換器】──(4-20mA)──【PLCアナログ入力】

実際には以下の3つのケースがあります。

●(1)2線式(ループ電源方式)

  • 電源と信号が同じ2本で構成される
  • 現場では最も一般的
  • 配線がシンプルで誤配線が少ない

●(2)3線式

  • 出力とは別に電源線がある方式
  • センサ自身が電力を大きく使う場合に採用

●(3)4線式

  • 電源+信号が完全に独立
  • ノイズ耐性が高く精度も良い

4. 電流→電圧変換(受信側で何が起きている?)

PLCのアナログ入力は、実際には内部で電流を電圧に変換して読み取っています
典型的には250Ωの抵抗で電流を電圧に変換し、

  • 4mA → 1.0V
  • 20mA → 5.0V

という形で扱うことが多いです。

これはオームの法則(V=IR)の応用で、
20mA × 250Ω = 5V となり、扱いやすい範囲に収まるよう設計されています。


5. 実務でよくあるトラブル

●(1)4mAが出ない(2mA・3mAなど)

→ 配線ミス、ループ電源の不足、センサ設定の問題が多い

●(2)値がふらつく

→ 機器のGND不良、ケーブルのシールド未接続、ノイズ対策不足が原因

●(3)20mA以上が出てしまう

→ センサ故障、短絡などで危険
PLC側が「上限オーバー」として異常扱いすることが多い


6. 4-20mAと0-10Vの比較

項目4-20mA0-10V
ノイズ耐性高い低い
長距離伝送得意苦手
断線検知可能できない
配線の簡易さ2線式が可能電源が別途必要
精度高い良いがノイズに弱い

工場ではほぼ 4-20mAの方が主流で、設備の信頼性が求められるほど電流信号が採用されます。


7. 直感的にわかる換算方法(初心者向け)

「4〜20mAのどれが何%なのか」を覚える簡単な式があります。

(mA − 4) ÷ 16 × 100 =%表示

例:
12mAなら
(12 − 4) ÷ 16 × 100 = 50%

これを知っておくと、現場の調整が一気に楽になります。


8. まとめ:4-20mAの重要性

4-20mA信号は、制御機器やプラント計装には欠かせない、最も基本的なアナログ信号です。

  • 4mAから始まるのは断線検知のため
  • 電流方式はノイズや距離に強い
  • 配線は2線式〜4線式の方式が存在
  • PLCでは電流→電圧へ内部で変換して読み取る
  • トラブルは配線・電源・ノイズ対策が多い

初心者の方はまず「4-20mAは電流で温度や圧力を表す仕組み」と理解できれば十分です。現場での調整やトラブル対応でも必ず役立つ知識になります。

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